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PESOモデルを“数式”で捉える|計量経済学とAIで、成果を説明できるマーケティングへ

2026年10月25日 | 執筆:秦 智紀(合同会社HATA 代表社員)

PESOモデルは、ペイド・アーンド・シェアード・オウンドの4つのメディアを組み合わせて情報発信を設計する考え方です。ただ、「考え方」のままでは、どの媒体がどれだけ成果に効いたのかを、数字で説明しにくいという弱点があります。本稿では、計量経済学とAIでこの弱点を補えないか、という構想を紹介します。

本稿の位置づけ:本稿は、現時点での構想・研究テーマの紹介です。完成した手法ではなく、成果を保証するものでもありません。

1. 問題意識:PESOは「考え方」で、成果を数字で説明しにくい

広告(ペイド)は、費用と成果を追いやすい媒体です。一方、報道や口コミ(アーンド)、SNS(シェアード)、自社サイト(オウンド)がどれだけ貢献したのかは見えにくく、広告費ばかりに目が向きがちです。経営者が知りたいのは、「次の1円と1時間を、どこに使うべきか」です。

2. すでにある手法:マーケティング・ミックス・モデリング(MMM)

MMMは、統計モデルを使って、施策と売上の関係を推定する手法です。時間に関する考え方を、2つ取り入れています。

近年は、不確かさも含めて推定するベイズ推定や、実験で結果を校正する方法が広がっています。代表的なツールに、Metaの「Robyn」、Googleの「Meridian」、オープンソースの「PyMC-Marketing」があります。

3. 構想:PESOを「時間の関数」で捉える

構想の核心は、PESOの4媒体を、時間とともに変わる関数として、1つのモデルにまとめることです。言葉で書くと、次のように単純です。

成果(t) = 基礎の需要(t) + 4媒体の効果(t) + 季節・外部要因 + 誤差

PESOの4媒体と成果の関係(概念図)ペイド、アーンド、シェアード、オウンドの4媒体が互いに影響し合い、成果につながる。効果は時間とともに変わる。ペイド(有料)広告・タイアップアーンド(獲得)報道・口コミシェアード(共有)SNS・動画オウンド(自社)自社サイト・ブログ互いに影響し合い成果につながる成果売上・問い合わせ時間 t① 効果は遅れて現れる② 投入を増やすほど効きが鈍る③ 効果は時間とともに変わる
図1 PESOの4媒体と、成果までの影響の流れ(概念図)

既存の手法でいえば、MMM、ベイズ状態空間モデル、時変係数、動的一般化線形モデルなどの組み合わせが近い考え方です。本稿では、この構想を仮に「動学的一般化モデル」と呼んでいます。

4. AIの役割

AIは、モデルの代わりに判断するものではなく、モデルを実務で使えるようにする補助役です。

5. 限界と注意

6. 実務への落とし込み:5つの段階

合同会社HATAの取り組み(構想として)

合同会社HATAでは、この構想を研究テーマとして位置づけ、PESOモデルに基づくメディア戦略に、計量経済学の考え方を取り入れる方法を検討しています。詳しくはメディア戦略のページをご覧ください。

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